柴崎友香の「寝ても覚めても」の麦、 寝ても覚めてもの岡崎は非常に岸くんです。 「あさちゃんはー、もっと、楽しいことは楽しいって言わなあかんよー。光のほうを向いて生きようよー」いいセリフだ 飄々としてるのにたまに暴力的で狂気が組み込まれてる感じはまほろ駅前の行天に似てる麦。ますます重岡くんで見たい。
大阪弁、つかみどころまったくなし、顔がいい、すぐにふいと消える点が非常に重岡大毅。シゲにやってほしい役だけど東出くんがやるらしい。
柴崎友香「寝ても覚めても」
長い長い恋愛を10年した末にぶっ飛ばす話。
結果として、呪縛に勝った。
綿矢りさ「勝手に震えてろ」
角田光代「愛がなんだ」
などと並べられる話。
不毛の賞味期限とは。
この本を買ったのはたぶん2年前。
読みかけては挫折してた。
たしか初夏のすごく暑い日に屋上でこれ読んで、太もも焦げた。
なぜ毎度挫折してたのか。
あまりにとりとめのない文章が脳内を率直に再現し過ぎていて、あれ今何しててどこにいるんだっけ?と現在地を見失ってしまう、
頑固に連綿としている からだ。人の脳内をのぞいたらきっとこんなだ。
恋愛小説読みたいなとなんとなく思って引っ張り出した。
主人公の朝子の語りで物語は綴られる。
長い恋愛の決着よりも胸に残ったのは、朝子の生活をあっさり続けていくたくましさ。図太さと言ってもいいかも。
朝子は「素晴らしかった」、とか
「笑いっぱなしだった」、とか
「明るかった 」とか
たくさんのことをさっぱりと肯定する。
生活を変えることのあっさりさに関しては、もはや目から鱗。
職場よく変わるし、
友達の友達と友達になるし、
引っ越す。
気づいたら付き合う。
なーんだ、こんなに生活ってたやすく変えていいんだ。
つながるし、すぐ離れる。またつながる。
「洋服を買わないと死んでしまう、と思った。こうして正しい形になるために働いているのだから。
忙しいとかお金がないとかくだらない理由を言って洋服を見に行かなければ、わたしは死んでしまう。」
「知らない人と話すのは簡単で、知っている人と話すのはだんだん難しいことになっていく。」
生活が続いていく実感が孕む焦りや諦め、それらを淡々受け入れる実感がリアルに映る。
主人公の一貫した悪気のなさ、
会話で自分からは話さないが
害のない相づちや無味の朗らかさで すぐ集団に溶けこむけれど、実は一番自分勝手になれてしまうところ
当て馬の女の子に
「あんたみたいんは一生嫌い」って言われるのわかるよ。あとその啖呵の切り方かっこいい。
私も目に入るとこにいたらこんな歯がゆいのに実質やりたい放題なやつ嫌いだと思う。
極端な透明さこだわりのなさはたまにいらだちを呼ぶ。
大阪弁、飄々としてどこまでもつかめない、整っているけどスキのある男前、たまに見せる気まぐれな狂気
などなど
うわぁ重岡大毅にやってほしい と思う男でした。
東出くんがやるみたい。ちがうなぁ。
何はともあれ、しばらくほったらかした本が、どこまでも見逃せないくらいの求心ぷりで一気読みさせてきたのでした。
読み時はいつかくる。