朝食の準備に合わせてBTSのライブDVDをつけて、やがて夕方になった。
恋煩いのように胸に微熱の塊が詰まってつらい。
初めて買ったライブDVD。
会場ごとにDVD化されてるようで、お店で悩んだ。野外で爽やかそう、最新のようだし。とヤンマースタジアム19年7月開催のものにした。

テテは奇跡のような美しさだった。
ため息が出るほど綺麗で…
実在しているとは思えない。
この世の綺麗なもの集めてつくった宝石のような人。
淡い栗色の毛がふわっと彼の輪郭を形作り、軽やかに包んでいた。


ずっと綺麗で、あまりにも美しくて、私の綺麗なものを受け止める心のコップは溢れっぱなしだった。
色んな言葉が一瞬で無意味になり、立ち尽くすしかない。
テテは相変わらず身長不詳。
顔が小さくて脚が長い。
まとまりつつ均整が取れており、さながら夢と浪漫を詰めた少女漫画の男の子。(白泉社)
ソロ曲では悩ましい表情も色気がこぼれ出していて、儚くも力強い舞を見せた。
一貫して妖精のような可憐さと美しさをたたえながら、アンコールパートでは無邪気なかわいさ。
前髪ありふんわりヘアにベレー帽、もう勘弁してほしい。そんなにかわいくてどうしたら…
メイキングで舞台裏の壮絶さに怯む。
怯みつつ、彼らがここまで死力を尽くして作り上げたステージを噛み締めたくなり、
再び本編再生。
今のところまだ、Dionysusをすんなり読めない。
ディオに…
豊穣とブドウ酒と酩酊の神 らしい。
セットにギリシャ彫刻が頻出していたので、てっきり昔の暴君の名前かと思ってた。
歌詞を調べたら、「お前らこれから俺らの芸術に酔いな」とのこと。
好戦的…!
俺の美技に酔いな!?
なんとも王者に相応しい不遜で圧倒的な態度。
ものすごい曲はオラついているのだが、サビがマショマショ言ってるので響きがちょっとかわいくて。飲め飲めと言ってるんだね。
あくまでもヒップホップグループとしての出自を大切にしていることが感じられるセトリたち。
そこに差し込まれるEDMやバラードの清涼感と、叙情性。
私がBTSに深入りして感情を持て余しているのは、この叙情性によるもの。
これだけ毎日BTSを聴いていると、当然どんなことを歌っているのか歌詞が気になる。
メインどころは内容を把握していても、すべてにはまだ程遠い。
ところが調べると、胸が締め付けられるような切実な歌詞が多くて、たちまち気軽なBGMの顔は剥がれる。心に訴えかけてくる歌声に半泣きで耳を傾けることになってしまうのだ。
特にテテの作る歌詞が大好き。
テテは悲しみに言葉で輪郭を与え、音にしてそれを解放する。
冬の白い息のようだ。
もう一つはSpring day。
歌詞付きの動画を見たら、もう心が涙でいっぱいになった…
会いたい、ってことを歌ってるとは知ってたけど。
「冬の列車」というフレーズの叙情性。
切なさが精一杯様々な言葉で姿を表されていて、
甘美に悲しみと寂しさが謳われる。
もはや歌謡曲のような感情含有量だ。
時勢も相まって、彼らに会えるのはいつになるのだろう と安直に浸る。
ジンヒョンのソロ曲の歌詞も、無視できない切実さがある。
明るく振る舞っている彼が、唯一ソロではその鎧を脱いで、裸の心を晒してる。
傷ついて、脆くて、自信がなくて、虚しさに襲われる。
美しい旋律に乗せて昇華させているけれど、心配にはなる。
売れ過ぎている人皆に思うけれど、
私たちの過ぎた熱狂が、彼らから人間としての普通の幸せを奪っているかもしれない。
申し訳なさはあれど、それでも依然として夢中な気持ちは止められない。生身の人間に神性を託されるアイドルという職業の苛烈さに想いを馳せる。ごめん、いつもありがとう。あなた方がいなければどれほど乾いた心で日々を過ごすことになるだろうか。
舌の根も乾かぬうちだが、
テテジンは依然として私を萌え死に至らしめている。
昨夜のGDAの二人の絡みには、興奮し過ぎて動悸が激しくなった。
昔推しているカップリングの配色と同じライフの看板を見て動悸が激しくなった時以来のキューシン案件。
まぁとにかく私は生きている人間が放ってくる猛烈な輝き、関係性の妙、そういったものに焼き尽くされてる。
彼らが踊るときに揺れる髪、彼らの笑い合う日々に幸せに替わる名前を付けて、いつまでも覚えていたい。いつもありがとう。