さすがにアヒージョ

最愛の人が何人もいるタイプ

セブチの魂、百までアジュナイス

セブチの東京ドームでのライブに行ってきた。

セブチはここ二年ほど私の第二彼氏を担当してくれている。バンタンに熱を上げていた頃、ふとサジェストされるセブチの曲の気楽さに救われたものだ。現在はビーファに血道を上げつつ、新曲が出れば必ずセブチもチェックしている。この度同じくるろうにオタクの親友(ジュン推し、主戦場はASTROと関西ジャニーズ)に誘われ、こうしてクソDD二名が東京ドームに紛れこんだ。

 

私はもっぱらDK推しでミンギュを邪な目で見ている。ところが。

今日のライブでよかった人を発表する。

 

ジュンとディエイト!

 

なんて意外な結末なんだ。

同行した親友がジュン推しだったので、いつもより彼を気にかけていたというのはある。だがそんな前提は野暮なほどステージでの彼は燦然と輝いていた。顔がまず非常に美しい。浪漫と夢と理想を目一杯込めて描いた少女漫画のよう。他のメンバーもそれぞれかっこいいのは言うまでもないが、ジュンのかんばせの美しさには凄味が漂う。研ぎ澄まされたナイフのようでありながら幻の花のようでもある、鋭い華麗さ。

金髪ロン毛ハーフアップでここまで覚醒するとは。

ジュンの顔が綺麗なんてことは周知の事実だろうが、何より今回驚いたのはそのパフォーマンスだ。顔の華麗さにオペラグラスが吸い寄せられて踊る彼を見ると、その舞い方がとても美しいことに気づいた。儚く繊細で優雅。パフォーマンスチームで披露したWAVE。結露した水槽のなか舞う彼は幻想的で、その視線の投げ方までミステリアスな雰囲気に満ちていた。

 

もう一つ彼のパフォーマンスで出色だったシーンがある。「ひとりじゃない」が終わり、真ん中に集まったセブチたち。前列中央にいたジュンがくたりと身を折り、後ろから謎めいた表情を覗かせるディエイト、さらにその最奥からジョンハンが現れ「舞い落ちる花びら」へ至る。3人の神秘的な表情の繋ぎが素晴らしかった。特にジュンの花が散る瞬間のような儚さを想起させる身の折り方には震えた。

 

美しく神秘的なパフォーマンスとは裏腹に、ジュンの言動はすこぶる明るい。「公演の後ご飯を食べに行くのが楽しみです。この間はラーメンを食べました」。ラストの一人ずつ挨拶でも神妙な雰囲気をものともせずサングラス姿で朗らかにコメント。強心臓なのかマイペースを極めているのか。このギャップがおもしろい。

 

ディエイトについて。

私は彼の不穏さが好きだ。CALLCALLCALL!のMVで受けたイメージなのだが、迎合せず、気だるげな佇まい。平気で仲間を裏切りそうな雰囲気で、そんなイメージで彼を見るのが好きだ。ところがライブでの彼は、めっちゃいいヤツだった彼は客席の隅々に手を振り、ファンサービスに努めていたのだ。私は混乱した。おい。本当は真面目なアイドルだったのね。なんなら客席に舌打ち、うちわを黙殺するようなキャラクターだと思っていたのに。そもそもライブ開始直後の挨拶で「今日もがんばディエイト」などとアイドルらしいフレーズを披露していたことも衝撃だった。ヤンキーが捨て犬に優しくしている姿を見てキュンときてしまうがごとく、勝手に小悪人キャラを託していたディエイトの真剣なるアイドル姿に意表を突かれてしまった。悔しい。実はこんなタイプが一番アイドルを長く続けたりして。

 

今回のライブで新鮮だったのが上記二人だ。

では元々の推しはどうだったのか。

 

ドギョムは歌が本当に上手かった。私はスングァンとドギョムを歌の二大巨頭と呼んであるのだが、今日のライブでのお二方はその呼び名に恥じない歌いぶりであった。

DREAMでの「僕のすべて」の部分、あぁこんな歌を聴くために今日来たんだというほど強制的に恍惚となった。なぎ倒されるほど極上の歌声。

 

ミンギュ。誠実な彼氏ドギョムがいる私にいつも不埒なモーションをかけてくる筋肉野郎だ。途中黒いスケスケのタンクトップ衣装で出てきた時、隣の友人がすかさず「エッチだねミンギュ」と耳打ちしてきた。同意の返事の代わりに私はオペラグラスに齧り付いた。筋肉そのものが踊っているかの如し。一人だけ彫刻ガタイなので遠目でも視認性抜群だ。その後、MC上着を羽織ってくれたので安心した。

 

個々の印象はこんなところかな。

 

何よりセブチのライブの感想としてくるのは「曲が楽しい!」と言うことだ。必殺技を持っているグループは強い。必殺技とは「とにかく明るく勢いのあるポップス」。

 

ライブは中盤のMansaeから急に楽しくなった。赤と白の衣装。(ジャニーズWESTBIG SHOT期を思い出した)曲が楽し過ぎてノリを優先したいからオペラグラスも放棄だ。

Left&Right、こちらは享楽的な雰囲気の中、二大巨頭の歌唱も冴え渡る。

続くVERY NICE、赤青オレンジ緑とカラフルな光に包まれた会場が揺れる。思わず隣の友人に「一番いい曲」と耳打ち、「うん」と友人。楽しいが一番正義!愉快で楽しい曲を持っている者たちだけが真に東京ドームを輝かせるんだと確信。

 

アンコールのCALLCALLCALL!も楽しいの濁流であった。サビの「今すぐ電話してぇっ!」というヤバい切迫感にウケてセブチに興味を持った始まりの一曲なので、これを生で見られたことは感慨深かった。「♪チリンチリーン!チリンチリーン♪もしもし」からのフリーダンス合戦はスングァン氏に優勝をあげたいと思う。まんまと盛り上げられた。スングァン氏意外と踊れるし、それ以上に絶対盛り上げたる!という根性が好き。

 

そして満を持してVERY NICEである。(本日二回目)度重なるダンスバトルにそろそろ疲れてきた頃にようやく辿り着いたおかわりアジュナイス。ハリセンを渾身の力を込めて打ち付ける。盛り上げて盛り上げて盛り上げて「ここまではSEVENTEEN!ありがとうございましたー!」と手を繋ぎ去るセブチ。えっ こんだけ盛り上げといて終わるの?とハシゴを外された思いが湧いてきた瞬間

 

アジュ!ナイス!!!!!

 

ステージに駆け戻ってくる13人。

 

もう疲れたよ!(歓喜)

 

これが噂のアジュナイス。内心爆笑しながらもまたハリセンマシーンに復帰する私。あと何回やるんだ。

その後アジュナイスは20:30まで続いた。

この勢い、このしつこさ、この享楽性。

セブチの魂、百までアジュナイス。

これからもその骨太な呑気さで私を笑わせてよ。

アジュ!ナイス!