イタリアの車は速い。
死ぬほど速い。
どれくらい速いかと言うと、新幹線。
120キロまで最高出せるのだ。
速さに体がついていかない。必要以上に閃光で車窓の景色が流れていく。
怖い。
急急急急急急急ブレーーーーーーキ
なぜETCレーンを容赦しない。
そのまま突っこむ。
全員起きた。
事故の沸点が高いのか。
そんなわけで、イタリア内のバス移動は怖かった。
運転手は裏ぶれたオヤジ。燻された色気が渋い。
にしても、イタリアのバスは怖い。
こんなに疾走して平気か。
眠って目が覚めたら死んでたなんて嫌。
張り詰めた心を癒したのは、
東京B少年。
夜。
雨。
未体験の速度。
恐怖を溶かす、
岩﨑大昇くんの「胸の振り子」。
その気負いのない微笑みに、
心は一瞬で自宅。
「柳につばめは あなたに私。」
古めかしい歌詞が、洒落て届く。
金指、降臨。
金指の登場は、天界。
広がるイントロは即ちエデン。
我I Need Youも
Cosmic Melodyも
およそイタリアでここまで歌われたことはないだろう。
壁が薄すぎて不安な夜も
隣室のイタリアパリピに怯んだ夜も
Cosmic Melodyを流せば、天界。
あまりにお手軽に、
そこは可愛いの天国になったのである。
癒しという言葉では足りないくらい、癒しの極致を見た。
ありがとう、東京B少年。