さすがにアヒージョ

最愛の人が何人もいるタイプ

BE:FIRST東京ドーム公演に愛を叫ぶ

BE:FIRSTの東京ドーム公演に行ってきた。

前回彼らのライブに行ったのは2022年10月の市川文化会館だから、実に二年ぶりである。

明日には、重過ぎるペンライトを三時間振り回した代償が来るはずだ。腕が動くうちに今日のことを記録せねば。 

結論を急ぐと、最高だった。

ものすごい最高。大好き。

 

一応、理性あるファンとして今後のための文句を先述する。ライブ中、社長に感謝を述べるひと時でたっぷり時間を取るのはBE:FIRSTのライブあるあるとは言え、やはり少々異常に感じられるので、そういった師弟愛の交歓はぜひとも打ち上げなど裏で行ってほしい。社長にお礼を言うより私らに感謝してくれよと思う。まぁ、最後にたっぷりお礼してくれたけどね。

あと、入場列の誘導が下手くそだった。文句は以上。

 

 

BE:FIRST全員、歌が上手くなっていた。

最愛のマナトをはじめとして、

常日頃「あぁもっと歌がんばろうよ」ともどかしく感じていたレオくんに至るまで、目に見えて歌唱力を上げていた。しかもライブが始まってわずか三曲ほどで、それを確信したのだ。

 

レオくんは比較的、地声の地続きに歌声があるようなタイプだと思う。それゆえ、等身大の発声が曲に対してひどく素朴に響いてしまう。しゃべるときのような揺らぎが出てしまいがちという印象があった。それが今日のライブではひときわ芯のある、太くて自信ある歌唱に変わっていたのだ。

 

歌唱の進化で言えばソウタも。主線のメロディーに呼応するようにソウタのクリーンな高音が挟まれるというシーンが何度かあり、「ここってソウタのパートだったんだ!」と一度ならず驚かされた。曲の大平原を切り裂き、意志の強さで光をもたらすラップは出色で、サクラップで育った私はどうしても惹かれるものがあるのだが、彼の癖のない歌声のまっすぐな成長もまた、まぶしい。

 

そしてもう我慢できないのでマナトのことを語る。

マナトといえば細いながらどこまでも清らかかつ器用に変化する玄人の声音が持ち味。それが何と…

 

めっちゃ太い声も出せるようになったんだよ

 

「BF is …」なんてドスが効いてるったらない。もう仰天した。いつからこんな肝の据わった底から響く声を出せるようになったのよ。これまではその声音の軌道が描く巧みな曲線に魅了されていたが、今日はもう、マナトの歌声には有無を言わさぬ支配力が備わっていた。完敗。あっぱれ。マナトが駆け抜けていった季節、その中で彼の意志で確かに培われた技術に改めて惚れ直した。

 

しかも、歌だけじゃなーい。

ダンス。ダンス!!

映像だとグループ全体を移すものだが、なんせこちらは生。一点集中でマナトの一部始終、目を皿にして見ていたが…

マナトの踊りっぷりの素晴らしいことときたら!こまごまと俊敏に身体を器用に操っている。小回りがよく効いており、無数に広がる曲中のリズムと遊んでいるかのような。ダンスはきっと、彼の親しい友達。曲の中をすいすい泳いでいくマナトを追うのに目が忙しかった。

 

今回は何を隠そう席が非常に良かったのだ。始まった瞬間は「豆しか見えない…二万も払ったのに…」と絶望しかけたのだが、数曲経ての暗転後、目の前でSoftlyが始まったときは仰天した。マナトがマイクスタンドを優しく抱擁し甘やかに揺れる様にめまい。近すぎ。何と目の前にセンターステージがあったのだ。センターステージはもうオペラグラスが不要なほど目の前にBE:FIRSTがいて、衝撃のあまりその場で1.5歩後ずさってしまった。いつも飽きるほど映像で見ている彼らがそのまま実体を伴って目の前で歌ったり踊ったりしつづけていて、あまつさえ踊る体が発する衣擦れの音までするのだ。もう毎秒もたらされる情報量が多すぎて贅沢さにくらくらした。あぁこの人たちはこんなにも存在していて、絶えず七人で呼吸し、歌い舞うのだ。

てかマナトの顔がめっちゃかわいい。マナトは年に一回チリチリパーマをかける衝動に駆られるようなので、今回も始まるまで懸念がないではなかったが、杞憂だった。ふんわりナチュラルなウェーブ。かわいい。ちまっとまとまったかわいい顔立ちが、客席の熱気にあてられてか少し挑戦的になる瞬間があってたまらなかった。たまに目がきらっと光っていてきれいだった。私は絶対マナトと公演中目が合ったし、勝手にいくつもの気持ちを渡した。

 

髪型つながりで言うとジュノンの黒髪が衝撃的だった。これは人をダメにすると思った。ライブが始まって一人ひとりがアップになるあの瞬間。会場の皆が固唾をのんでその日の彼らのビジュアルを目撃する訳だが、率直に言って黒髪ジュノンはクズバンドマン。それがライブの進むにつれどんどん美しさを増し、最終的には「これは人を破滅させる危険な男だ」と確信した。同行した弟がジュノンにバッチリ目線をいただき、おこぼれで私も目が合ったのだが、あまりにかっこよくてパイプ椅子に尻もちをついた。なんだか画素数がえらく高く、薄く輝く何層ものベールに包まれているかのようなまばゆさであった。参ったね。最愛はマナトなので基本はマナトのみ見ていたのだが、ジュノンには無言でも「こっちを見ろよ」と言われているようなオーラを感じてしまうのだ。しかも歌はあくまでも抜群にうまく、いかなるパートでも激しく才能を炸裂させていた。

 

ステージが近いだけでなく、そのままステージごと動き、わが頭上を彼らが通り過ぎて行ったときは仰天超えて笑えた。ジャニオタ歴長いがムービングステージの当事者になるのは初めてで、改めてとんでも装置だなと思った。これほど松潤に感謝したことはない。同行した弟いわく、レオの汗が降ってきたそうな。

 

Softly、SOS、Grow Up、Salvia、Betrayal Gameなど好きな曲が軒並み目の前のステージで披露され、感激衝撃でまばたきを中止、口をあんぐりと開けて唖然と見ていた。もう一秒一秒がものすごい厚みで豊かで。心底かっこよかった。しかもBE:FIRSTが最高なのは公演中にパフォーマンスが尻上がりによくなっていったことだ。人が自分の見ている目の前でスケールアップしていくという体験はそうないだろう。会場の熱気を動力に変え、パフォーマンスには野心の輝きが増し、メラメラと東京ドームは燃える。

始まったばかりはドームにうつる陽炎のようだった彼らが、どんどん会場を掌握し、暴れ慣れたホームグラウンドのように歌い踊れば、もうドームだって狭かった。

 

私はこのドームが終わったら卒業しようかと思っていたが、その駄策は撤回した。これからもBE:FIRSTが望むまま彼らを見守ってやり、飽きるほど人生を伴走してやろうと決心した。私がおばさんになったら彼らもおじさんになっているだろう。あなた方の目指す「ドームのその先」は例によって漠としてわからない夢だが、君らが手を離さない限り私はしつこく君らを楽しみにしてしまうと思う。それまでまた、よろしく。今日はありがとう。