さすがにアヒージョ

最愛の人が何人もいるタイプ

7.27日記

 朝、家を出たらすずめが死んでいた。元気にズンズン歩き出した三歩目ほどのことだ。「うわっ」と声が出た。道半ばで死を迎えた動物を目撃するのは今年二度目だ。三度目がないことを祈る。

最近はいよいよコロナの状況ものっぴきならないので、エレベーターのボタンも肘でタッチしている。各国の首脳たちが交わす握手がわりの肘タッチ、憧れる。

手洗い場の換気扇から漂う中華の匂いで今日の昼ごはんが決まった。無言で置かれるセットのサラダと杏仁豆腐。ほどなくして到着したメインも黙して置かれ、やや気圧される。何はともあれ昼ごはんだ。

今日はよくこぼす日だった。朝、おろしたての服に佃煮をこぼす。昼、エビチリを食べ終わり視線を落とすと胸元に染み三つ。みんなどうやって服を汚さずに食べているのだろう。特によく注文されていた坦々麺。赤いしぶきを立てる自信がある。頼む勇気はない。

会計に手間取る。レシートがわりの番号札をレジに持っていかなかったからだ。私の幼稚さはいつ抜けるんだろう。生活の端々でいつも小さく泡を食う私。「大丈夫大丈夫、次は持ってきてね。あれは目印だから。」無言おばさんの笑顔。なんだ、笑うんだね。