さすがにアヒージョ

最愛の人が何人もいるタイプ

バックストリートボーイズが来たぞ!

 

2月14日。バックストリートボーイズのライブに行ってきた。期待値78%で臨んだところ、まさかの満足度500%を叩き出された。その記録である。

▲おみやげにもらえたポストカード

裏面QRコードを読み込むとセトリのプレイリストがダウンロードできた。手厚い…!

 

▲海に囲まれた埋立地の要塞・有明アリーナ

 

ちなみに私がバックストリートボーイズにハマったのは去年の11月。超新参者だ。遡ればBE:FIRSTが選曲したラブソングプレイリストにI Want It That Wayが入っていたことがきっかけ。どんな曲だっけ?とYouTubeで確認したところ、「レオナルドディカプリオみたいな美少年がいる!」「ちょっと薄毛で顔が菱形の人がずっと歌ってる!他のメンバーは歌わないの!?」「飛行機の前で歌ってる!まるで初心LOVEだな!」と次々びっくりマークとハテナを誘発された。

▲解像度の低い時代

 

その後代表作をひとしきり見ていくうちに、感傷的なメロディー、美しいハーモニー、MVで女性と絡まずにはいられないチャラさ、圧倒的キャラ立ち、何より5人一体となったパフォーマンスにすっかり心を奪われた。サウンド面でも振る舞いでも、私にとって元祖アイドルの嵐のルーツを見たような気がしたのだ。そんな折に飛び込んできた来日公演。しかもバレンタイン?行くっきゃない!

▲写真プリントだと思ったら絵のTシャツでした。

 

開演は19時。グッズ列を舐めており、席に到着したのは18時50分。「ライブの開演ギリギリに席くる人って何なん?信じられないわ〜」などと仮想敵にマウントをとっていた40分前の私へ。黙れ。丁寧なフラグ作りに定評のある私である。

周囲を見回すとポテトやビールを抱えている人もちらほら。飲食OKの現場はスポーツ観戦さながらで新鮮だ。ステージのスクリーンはポーズを決めるBSBの簡素な映像が繰り返し流れている。dynamiteを連呼する女性ボーカルの曲が流れている。BTSを思い出さずにはいられない。BGMが途切れるたび開演か!と身構えるものの、始まらないまま1分過ぎ5分過ぎ10分過ぎ…。徐々に不安になる。どうしよう、このままあと30分始まらなかったら。これが海外アーティストの洗礼か、と震えて待つ。音響席と思しきところにノーマスク白人女性が二名入ってきた。誰…?演出家?彼女…?(サクラ?)
そして19時15分、その時は遂にやってきた。

▲写真OKの現場、初めて。

 

ふっ、と会場が暗転し、客席一面のペンライトの光が立ち現れる。ボーイズの声が聞こえるが姿は見えない、どこ!?
と!!!!
そびえ立つ最上段ステージにバックストリートボーイズが!既に踊っている!一気に感激が押し寄せこみあげる涙。そしてたちまちスマホを構える周囲にビビる。おぉ!私は今欧米のライブに来ています!!!!

▲グッズ会場しか撮ってない それどころじゃない

 

32曲も披露したので曲ごとの感想は割愛するが、とにかく歌がうまい。そんなことを言うのは野暮なのかもしれないが、ずっと音程が正確なのだ。本当に生歌なの?しかし、音源より遥かに圧の強い歌声が生であることを証明していた。特にAJの歌声が出色。ビリビリと空気を底から切り裂くような尖った力強い声。一人でメンバー三人分くらいの音量を出していた。圧倒的支配力。私はタトゥーは怖い派だが、人生で初めてタトゥー姿がかっこいいと思わされた。

 

ブライアンはやはりエース感抜群で、常に先陣切ってステージを扇動していた。笑顔の包容力が強く、すぐさま会場中のハートを集めた。チャーミングなリーダーシップに惚れる。

 

ニックの高くえぐれたような吐き歌唱も最高だ。彼はルックスこそ激しく変化したものの、歌い方のピュアさは変わっていない。技術を身につけた上での青さ、少年性が維持されている。
声だけじゃない。曲中ブライアンやケビンにひっつきに行っていることが多く、その溢れる末っ子感に思わずオペラグラスを本気覗きしてしまう。特にブライアンとニックの絡みに沸いた。

 

私はケビンの生真面目なパフォーマンスが好きなのだが、思った通りピシッと折目正しい踊り方をしていてうれしかった。今日も闇堕ちしたマーベルの博士みたいな出たちである。MCで話す時声が小さい。イメージ通りで大喜びしてしまった。誰かが「ケビーン!」と歓声を上げていた。

 

ハウィーは一際献身的な佇まい。スタンドマイクを前に軽く踊るボーイズ仕草の熟練ぶりときたら。彼の存在がボーイズの一体感を高めている。

 

 

それにしても何て名曲揃いなんだ。最新アルバムのDNAツアーと銘打っているが、序盤から出し惜しみせずGet Downを披露。皆の期待を裏切らない。Shape of My HeartやDrowingの美しいハーモニーはその場を天界に変えた。かと思えば最新アルバム収録曲のPassionateでビートの強さを見せつける。そのアウトロがナチュラルにQuite Playing Gamesに音色を変えた展開には唸った。
As Long as You Love Meを共に踊った時は感無量。もう心の中の私はベルばらぐらい目がウルウルのメロメロ状態だ。

一時間半は優に出ずっぱりだった彼らが本格的に引っ込み、スクリーンに映像が。無数のヒット曲のマッシュアップを歌う彼らがあまりにかっこよく、胸の高まりはもう苦しいくらいだ。期待のボルテージが振り切れそうになった瞬間、Everybodyのイントロが…!
そこからはもう、怒涛。歌い踊り煽りまくるBSB。興奮と楽しさではち切れそうだった。さすがにシンガロングする。声出しライブってこんなに楽しかったんだ。ぶん回すペンライト、踊らざるを得ない身体、頭の奥がショートしそうになった。こんなことは初めてだ。ずっとこの時間が続いていて欲しい。もっと曲で支配してほしい。頭が痺れた。

圧巻のライブだった。MCは自らの貧相な英語力では二割くらいしか言ってることがわかんなかったり、にわかだから知らない曲もあったけど、そんなことはまるで問題にならなかった。彼らの凄まじい牽引力は客席を一人も置いていかない。いいから身を任せな!という頼もしさを感じた。なんて懐が深いんだ。大器だ。力みがないのに容赦はない。これこそボーイズグループの元祖にして決定版。私はもう、参った。バックストリートボーイズはボーイズグループのレジェンドにしてキングだ。ここまで現役の重鎮を私は知らない。しばらく他のライブに行けそうにない。