さすがにアヒージョ

最愛の人が何人もいるタイプ

2022.7.24あたりの日記


暑かった。家まであと一歩というところで視界がゆらめいて、あ これいかん熱中症、と焦って今更マスクを外した。

休みの日の薬局。担当の薬剤師さんは私より若そうだ。お疲れ様です。

こんな日は少し寂れたホテルにいたい。くすんだ色の冴えないカバーのかかったベッドか、大してふかふかしてないソファで本を読んでいたい。元は白かったはずの外観も長年の雨風で少し黒ずんでいるようなホテルだ。近くに海があるとなお良い。だけど今ここは紛れもなく私の家だから、大きなミッフィーを膝に乗せて本を読む。


今読んでる本はなんだか汚い。新品である。そうではなくて中の人々の暮らしぶりが不潔だ。シーツにはシミが、ゴミはポイ捨てする。始めは顔をしかめて読んでたけど、しまいには癖になってきた。でも今度は作者が顔を顰める番かもしれない。風合いでも何でもないのよ、これが生活なの。失礼しました。


エコバックの選択を誤る。よく考えたら食パン一斤ほどボリュームのあるものなのだ。生理用ナプキンのパックは。お得用大容量に目が眩んでばかすかカゴに放り込んだ。レジで悟る。あ、マチが足りない。このエコバックは去年の夏絨毯売りのペルシャ人にもらった。アイロンがかかったようにピシリと平らなその袋の中に、店員さんがナプキンを完璧に収めた。あなた、テトリスがうまいんじゃないかな。


眠い。とろとろ落ちる血は砂時計みたいにずっと稼働中だ。今聴いてる曲は去年好きになった歌手の新しいアルバム。私的なものに惹かれる。私的な事情にも惹かれる。微熱で休み続けるような子どもは永遠に私の友達。


私がクリーナーをかけないから家は汚れ続けてる。でもやりたくないから今週も埃は積もり続けるだろう。先週柿ピーをぶちまけて、翌朝罪悪感で掃除したきりだ。しかもクイックルワイパーで。音を立てたくなかったから。


今日で相撲が終わる。野球は続く。好きなアイドルは明日新曲を出す。大河はどうなったっけ。色んな目印が律儀に一週間に旗を立ててくれる。

それでは、今週も流れていきましょう。