さすがにアヒージョ

最愛の人が何人もいるタイプ

BE:FIRST 初アルバム「BE:1」を祝して

BE:FIRSTの初めてのアルバムが出た。新年を迎えるように祈りと期待を抱いて12時が超える瞬間を待ち望んだ。

聞き終わった今、心の中には涙が溜まっていて、一刻でも早く言葉にされて彼らを祝福したいと願っている。素敵な曲たちへの感謝と、これからの日々をともに過ごせる喜び。新曲に関して一曲ずつ感想を記しておきたい。

 

♪Moment

まぶたの上にちらつく日の光でゆっくり目覚めるようなイントロ。そこに滑り込んでくるマナトの歌声。何より初めに最愛の声と出会えたうれしさがこみ上げる。「出かけよう 雨の日でも」と、歌詞はニコッとほほえんでいる。一緒に歌って踊れるこの日々がただ楽しくていとしい、というような素直で初々しい気持ち。今この瞬間を大切にスナップショットにしたような一曲。ふりかえれば夜景のように思える日々も、冗談言って笑いあうような一瞬で織り上げられている。肩肘張らないメロディーは明日からの味気ない通勤にも根気よく付き合ってくれると思う。

 

♪Softly

マナト、レオ、ジュノンリュウヘイのボーカル隊の曲。

くちどけのいいアイスが舌に残した甘さのよう。思い切りうっとりさせてくれる曲だ。

恋愛映画の青年のモノローグみたいなマナトの歌い出し。リュウヘイが歌う「秒針の速度で過去に変わっていく」でこの先のロマンチックな展開を確信させられる。レオの「あの日君の震えた背中を」に続くジュノンの「包めなかった自分が大嫌い」が絶品。どんな曲の中でもハッとさせられるジュノンの声は悔しいほどいつも鮮烈だ。

「壊れそうなばかりの世界」と歌うレオの声には生き様が表れているようで、決意ある誠実さが匂い立ち、色っぽい。

そして内気で繊細そうな声から、リズムの上で泳ぐ気だるげな声まで、マナトの歌声の幅広さに驚く。ありがとう。

ライブの時は白くてふわふわした衣装着てスタンドマイクで披露してほしい。

 

♪Milli-Billi

心配になるくらい強気な曲。しかしただ無鉄砲なイキりではない。ヒップホップの作法として示した理性的な強気さとでも言おうか。この音源では端正に聞こえるラップがやがてライブで牙を剥く日が待ち遠しい。シュントの声の色っぽさが無双している。

 

♪Spin!

リョウキ、ソウタ、シュントのラップ隊の自作曲。Spinというお題から始め回転ずししか思い浮かばずパニックになったというエピソードが信じがたいほど攻撃力の高さ。イヤホンで聴いてごらん。

一緒にイキってくれる悪友みたいな曲。

 

♪Grateful Pain

グループを組むまでの一人一人のこれまでを総括する、七人自作のバラード。

これから有名になるにつれ何度となく語り直されるであろう各々のエピソードを、揺るがぬ形で残した彼らの「すべては曲で語る」という決意表明が感じられる。その気高さと真摯な歌声に胸を打たれる。

BE:FIRST TVでの披露時に見たレオくんの泣きそうな顔が今でも目に浮かぶ。

 

♪Message

「運命だって恋におちるよ」

「世界を振り切って痛みと踊ろう」

「夜明けにキスをしよう 星に願ったりしない」

切ない爽やかさが溢れていて、これぞアイドルという一曲。

すごくライブの終盤を感じさせる。ペンライトの海で彼らを照らしたいな。この曲からBye-Good-Byeに繋げて締められるこのアルバムはとてもチャーミングだ。

 

以上が今日8月29日に公開となった新曲たち。

 

才能を誇示するばっかりのハードでうるさい曲ばかりだったらどうしよう、と思っていたのは杞憂だった。もちろん、一曲目のBF is…やScreamでは「俺たちを見ろ!」という野心が燃えていたけれど、それだけではなくてしっかりときめかせて、かわいくて、もろい部分も見せて、感傷に寄り添ってくれる柔らかさを見せてくれた。何よりも私は彼らの歌声に惚れている。ライブが楽しみだ。今はまだ世に出たばかりの曲たちが、舞台の上で何倍も鮮やかに色づくであろう。その瞬間に居合わせる日を心待ちにしている。