さすがにアヒージョ

最愛の人が何人もいるタイプ

セブチの魂、百までアジュナイス

セブチの東京ドームでのライブに行ってきた。

セブチはここ二年ほど私の第二彼氏を担当してくれている。バンタンに熱を上げていた頃、ふとサジェストされるセブチの曲の気楽さに救われたものだ。現在はビーファに血道を上げつつ、新曲が出れば必ずセブチもチェックしている。この度同じくるろうにオタクの親友(ジュン推し、主戦場はASTROと関西ジャニーズ)に誘われ、こうしてクソDD二名が東京ドームに紛れこんだ。

 

私はもっぱらDK推しでミンギュを邪な目で見ている。ところが。

今日のライブでよかった人を発表する。

 

ジュンとディエイト!

 

なんて意外な結末なんだ。

同行した親友がジュン推しだったので、いつもより彼を気にかけていたというのはある。だがそんな前提は野暮なほどステージでの彼は燦然と輝いていた。顔がまず非常に美しい。浪漫と夢と理想を目一杯込めて描いた少女漫画のよう。他のメンバーもそれぞれかっこいいのは言うまでもないが、ジュンのかんばせの美しさには凄味が漂う。研ぎ澄まされたナイフのようでありながら幻の花のようでもある、鋭い華麗さ。

金髪ロン毛ハーフアップでここまで覚醒するとは。

ジュンの顔が綺麗なんてことは周知の事実だろうが、何より今回驚いたのはそのパフォーマンスだ。顔の華麗さにオペラグラスが吸い寄せられて踊る彼を見ると、その舞い方がとても美しいことに気づいた。儚く繊細で優雅。パフォーマンスチームで披露したWAVE。結露した水槽のなか舞う彼は幻想的で、その視線の投げ方までミステリアスな雰囲気に満ちていた。

 

もう一つ彼のパフォーマンスで出色だったシーンがある。「ひとりじゃない」が終わり、真ん中に集まったセブチたち。前列中央にいたジュンがくたりと身を折り、後ろから謎めいた表情を覗かせるディエイト、さらにその最奥からジョンハンが現れ「舞い落ちる花びら」へ至る。3人の神秘的な表情の繋ぎが素晴らしかった。特にジュンの花が散る瞬間のような儚さを想起させる身の折り方には震えた。

 

美しく神秘的なパフォーマンスとは裏腹に、ジュンの言動はすこぶる明るい。「公演の後ご飯を食べに行くのが楽しみです。この間はラーメンを食べました」。ラストの一人ずつ挨拶でも神妙な雰囲気をものともせずサングラス姿で朗らかにコメント。強心臓なのかマイペースを極めているのか。このギャップがおもしろい。

 

ディエイトについて。

私は彼の不穏さが好きだ。CALLCALLCALL!のMVで受けたイメージなのだが、迎合せず、気だるげな佇まい。平気で仲間を裏切りそうな雰囲気で、そんなイメージで彼を見るのが好きだ。ところがライブでの彼は、めっちゃいいヤツだった彼は客席の隅々に手を振り、ファンサービスに努めていたのだ。私は混乱した。おい。本当は真面目なアイドルだったのね。なんなら客席に舌打ち、うちわを黙殺するようなキャラクターだと思っていたのに。そもそもライブ開始直後の挨拶で「今日もがんばディエイト」などとアイドルらしいフレーズを披露していたことも衝撃だった。ヤンキーが捨て犬に優しくしている姿を見てキュンときてしまうがごとく、勝手に小悪人キャラを託していたディエイトの真剣なるアイドル姿に意表を突かれてしまった。悔しい。実はこんなタイプが一番アイドルを長く続けたりして。

 

今回のライブで新鮮だったのが上記二人だ。

では元々の推しはどうだったのか。

 

ドギョムは歌が本当に上手かった。私はスングァンとドギョムを歌の二大巨頭と呼んであるのだが、今日のライブでのお二方はその呼び名に恥じない歌いぶりであった。

DREAMでの「僕のすべて」の部分、あぁこんな歌を聴くために今日来たんだというほど強制的に恍惚となった。なぎ倒されるほど極上の歌声。

 

ミンギュ。誠実な彼氏ドギョムがいる私にいつも不埒なモーションをかけてくる筋肉野郎だ。途中黒いスケスケのタンクトップ衣装で出てきた時、隣の友人がすかさず「エッチだねミンギュ」と耳打ちしてきた。同意の返事の代わりに私はオペラグラスに齧り付いた。筋肉そのものが踊っているかの如し。一人だけ彫刻ガタイなので遠目でも視認性抜群だ。その後、MC上着を羽織ってくれたので安心した。

 

個々の印象はこんなところかな。

 

何よりセブチのライブの感想としてくるのは「曲が楽しい!」と言うことだ。必殺技を持っているグループは強い。必殺技とは「とにかく明るく勢いのあるポップス」。

 

ライブは中盤のMansaeから急に楽しくなった。赤と白の衣装。(ジャニーズWESTBIG SHOT期を思い出した)曲が楽し過ぎてノリを優先したいからオペラグラスも放棄だ。

Left&Right、こちらは享楽的な雰囲気の中、二大巨頭の歌唱も冴え渡る。

続くVERY NICE、赤青オレンジ緑とカラフルな光に包まれた会場が揺れる。思わず隣の友人に「一番いい曲」と耳打ち、「うん」と友人。楽しいが一番正義!愉快で楽しい曲を持っている者たちだけが真に東京ドームを輝かせるんだと確信。

 

アンコールのCALLCALLCALL!も楽しいの濁流であった。サビの「今すぐ電話してぇっ!」というヤバい切迫感にウケてセブチに興味を持った始まりの一曲なので、これを生で見られたことは感慨深かった。「♪チリンチリーン!チリンチリーン♪もしもし」からのフリーダンス合戦はスングァン氏に優勝をあげたいと思う。まんまと盛り上げられた。スングァン氏意外と踊れるし、それ以上に絶対盛り上げたる!という根性が好き。

 

そして満を持してVERY NICEである。(本日二回目)度重なるダンスバトルにそろそろ疲れてきた頃にようやく辿り着いたおかわりアジュナイス。ハリセンを渾身の力を込めて打ち付ける。盛り上げて盛り上げて盛り上げて「ここまではSEVENTEEN!ありがとうございましたー!」と手を繋ぎ去るセブチ。えっ こんだけ盛り上げといて終わるの?とハシゴを外された思いが湧いてきた瞬間

 

アジュ!ナイス!!!!!

 

ステージに駆け戻ってくる13人。

 

もう疲れたよ!(歓喜)

 

これが噂のアジュナイス。内心爆笑しながらもまたハリセンマシーンに復帰する私。あと何回やるんだ。

その後アジュナイスは20:30まで続いた。

この勢い、このしつこさ、この享楽性。

セブチの魂、百までアジュナイス。

これからもその骨太な呑気さで私を笑わせてよ。

アジュ!ナイス!

タバスコ瓶の裏/マナトとジュノンの声

 

頼んだコーヒーにはミルクと砂糖が添えられていて、ふふん 私にはいらないよ 毎日ブラックで飲んでるもの。と口をつけてすぐに前言撤回。しおらしくミルクを入れると、もくもくと湧き出るミルクの様子が入道雲みたくて見とれた。あら、こんなに奥からすべてが真っ黒だったのね。

私は毎日さるチェーン店でコーヒーを飲んでいるのだが、今週ようやく注文の仕方がわかった。アメリカンが私にとってちょうど良い濃さなのだ。そのお店には目だけ横浜流星のバイトがいる。目より下はマスクの秘密。ひどくぎこちないイントネーションで注文を復唱する彼の出身地はいずこ。きっと北の方じゃないかと思う。

今私は喫茶店にいる。散々前を通ったことはあったのに、いざ入るのは初めてだ。仕事の話をしている中高年が多い。あとは阿佐ヶ谷姉妹似のおばさま方など。食べたものは80点くらいの味だったけど満足。なんだか食べてる間脳内がよく動いて一人しゃべりが捗ったから。

スパゲティに粉チーズとタバスコを添えてくれる店は好きだ。どちらも絶対使いたい!というわけではないのだが、持ってきてくれた時にうっすらとうれしい。せっかくなので半分ほど食べた地点で振りかけてみる。タバスコは味それよりも、ビンの裏面に書いてある文がいいんだよ。
「オーク樽で3年間熟成された昔から変わることのない製法。どんなお料理もおいしく変えるホットソースのスタンダード。」それはそれは。君には敵わないよ、と若干まぶしい気持ちになる。振りかけてみてうーん、別にこんな味よね、と平熱に引き戻されるまでがセット。

今週まずかったのは、常備薬を切らしたせいで月のものが始まったこと。なんて恐ろしい薬なんだろうか。こないだ終わったばかりだと言うのに。ホルモンのせいか仕事中むやみに悲惨な気持ちになった。私はいらない荷物なんだ、できない私の処遇に困ってるんだ、いつ厳重注意を受けてしまうのか…等々、被害妄想が膨れ上がる。特に何かやらかしたわけでもないのに。ホルモンのせいだ。気が強そうに見えて気が弱いのが私である。バレているだろうが。

そんなわけで、仕方なく婦人科に行ってきた。BE:FIRSTのライブに着て行こうと思って買ったジージャンを今日おろすのは非常に癪である。デビューが婦人科ではこの4万円の一張羅も浮かばれない。しかし伊達ではなかったこのジージャン。行き先は婦人科なのにトータルでとてもおしゃれな格好になってしまった。こんなところで実力を出さなくても…とやや苦々しい気持ちになる。これはもう、終わったら寄り道しよう。

先生はともすれば歳下にも見えるおねえさんだった。薬を切らしてしまったので月のものがまた始まった状態だと伝えるも「今日は子宮頸がんの検診をしますがいいですか?」と圧巻のスルースキルを見せる先生。「今生理がすごいので、今日はやめた方がいいと思いますよ」と訴えるとようやく伝わったらしく、「では次回にしましょうか」とハッとした顔の先生。

歩いて大きな駅に向かう。摩天楼の下を歩く中で聴くBE:FIRST。先陣切って高層ビル群を駆き分けていくマナトの歌声にハッとする。青信号を待ちながら、常勝軍であろうとするBE:FIRSTのあり様が好きだと思う。考えを少し進めて、マナトとジュノンの歌声の佇まいについて思いを馳せる。マナトの歌声は秀才だ。例えば歌舞伎役者が子どもの頃から修行を積んで様々な技を獲得してきたように、マナトも端正な型をたくさん持っていると思う。丁寧に手入れされた声は一つ一つの技を確実に発揮して、また新しい色を獲得していく。歌に求道的なマナトが好きだ。

対してジュノンの歌声は野生的だ。言うなれば天才型の声。彼が「自分はどうやら歌がうまいらしい」と自覚したのはいつなんだろう。無邪気なまでに自在に飛び回るその声は、訓練を積んできた者たちにはある種驚異的だったであろう。残酷なまでに雄弁な声。歌声自体が意思を持っているように響き渡り、その場を制圧する。否応なしに耳に飛び込むその声は稲妻のようだ。体感で培われてきたジュノンの野生の声が、体系化された技術の習得でさらに覚醒していく。私たちはその目撃者になる。

などと考えていたら一時間くらい経ってた。土曜日は素敵だ。

BE:FIRSTライブ感想記【曲編】

昨日のライブ。特に印象的だった曲の感想。

ざっくり曲順です。

 

・BF is…
マナトの歌声が力強く響き渡る。この一声だけで思い知らされた。今日で私のライブ観がひっくり返されると。さぁ、BE:FIRSTがやって来た。

・Scream
自ら鎖を引きちぎって檻を飛び出して来た獣のよう。この夏幾度となく披露して立派に育った化け物。一気に会場を飲み込む気迫と勢い。

・Moment
カラフルな街のセットを背景に、一人ひとりが高いブロックに立って歌う。かわいい。

・Milli Billi
ラストでリョウキ、ソウタ、シュントの3人がステージに残りアクセントダンス。ソウタが生き生きと牙を剥いていて、それに余裕で追従するリョウキとシュントにも痺れた。

 

・Softly
スタンドマイクで。
極上。ただ見とれることしかできない。

 

・幕間映像
セガに遊びに来ました〜!の巻。
ソニックくん、とソニックを君付けして呼ぶリョウキが微笑ましくて笑った。コラボしてるプリクラ機の前でトークしていたからてっきりプリ撮るのかな?と思ったらレーシングゲームやるんかーい。自家用車然とした車を運転するマナトの活躍ぶりに会場中大盛り上がり。わたし鼻高々。うちのマナトやっぱ間違いないムードメーカー。
ソウタのガチ顔にも爆笑が起きてたよ。

 

・Spin!
レーシングゲームの映像からの繋ぎが見事で小憎らしいほどだった。吊り目気味のサングラスをかけた3人。ここぞとばかりにイキリ散らかすシュントに興奮。セットの高いところでサングラス外して歌うシュント、野卑さがK点超えしてた。不遜過ぎてあっぱれ。

 

・Shining One
サビを一緒に踊ったらこれ以上ないほどの一体感が込み上げてきた。こんなに人生で素晴らしい瞬間があるんだ…と感激に打ちのめされる。

 

・幕間映像
終わりの予感に寂しさが募る。お願い終わらないで。そして10周年みたいな雰囲気が出てるがまだ二年目になったばっか。まじか〜

 

・Message
淡い色のジャケットで軽やかながらシックに決めてきたビーファ。
お手振りトロッコ曲っぽいのにしっかり振り付けがあって感激した。真ん中でやさしく微笑みながら踊るソウタ。「こっちにおいで 僕を見て」のジュノンでうっかり泣いてしまった。花が咲いたように広がる幸福感。そしてラスサビ前暗転して急にステージが星空に。ロマンチックなサプライズ。

 

・Bye-Good-Bye
レオくんのありがたい講話→Bye Good Bye…の流れはもはや名人芸の域まで達していた。割と染み入る話をしてるんだけど、来るぞ来るぞ…とBye Good Byeの気配にニヤニヤしてしまった。だってレオくんの話の佳境でメンバーがいっせいにスッ…と立ち位置に付くものだから。

※特にリョウキがサッと立ち位置に付くドライな感じがツボだった。
曲の魔法を完全に体現できるようになった彼らの頼もしさ。この奇跡のような時間の終わりを涙ではなく笑って手を振る彼らの力強さがまぶしい。


・Gifted.
爽やかにお別れかと油断したら最後にGifted.!
稲妻のように轟まくるジュノンの高音、呼応するマナトのフェイク。あまりの威力に慄然とする。立ち位置は離れているけど、背中を預け合うようなジュノンとマナトのパフォーマンスが好き。

 

「俺は音楽でみなさんの居場所を作ります!」と高らかに宣言するジュノン、仲間の立つ階段の真ん中にドーン!と座り、背景にWe're all Gifted.の文字が浮かびフィニッシュ。まさに王の君臨。なんちゅう大胆不敵なグループだよ。

 

総評
ひたすらうまい歌とパワフルなダンスでぐうの音も出ないほど叩きのめされた。ホールごと吹き飛ばさんばかりのパフォーマンス。常に彼らの歌声の圧に驚かされていた。歌声に感電した体の表面はビリビリ痺れてる。圧倒的の一言。

それでいて不思議と一方的ではなく、こちらの熱量も彼らに伝わったんじゃないかという手応えもあった。エネルギーの交換。打てば響く人間同士だったんだ私たちは、と急に相互になった矢印に胸が熱くなる。

 

ライブの席は天任せ。大きな会場で米粒のように見てかえって寂しくなったり、いつも見ている映像の姿とうまくイメージが結びつかないことだってあり得る。これまで見てきた色々なアイドル、歌手のライブで感じてきたことだ。

 

けれど、ホールでのBE:FIRSTは明らかにこちらをはっきり見ていた。そして俺らはここにいる!と全身で叫んでいた。映像や音源にいる彼らがそこにいるんじゃなくて、本体たる彼らそのものが目一杯ステージに生きていて、私はやっと悟った。

あぁ、いつも見ている君たちはここにいたんだね。

狭い音源や画面から飛び出してきた彼らは自由で生命力に満ち溢れていた。
たぶんこのホールツアーは伝説になる。

 

BE:FIRSTを人生で初めて見てきた

BE:FIRSTのライブを見てきた。右腕が痛い。指が震えている。重すぎるペンライトを二時間ぶん回していたからだ。

最高のライブだった。これに尽きる。どんな言葉で形容しても追いつかない。脳よりも体が今日のBE:FIRSTを覚えてる。彼らから受けた衝撃に全身が喜びの白旗を上げている。
感想とかいいかな、と思ったけど私は強欲なので、やっぱりここに記録して余韻をしゃぶり尽くしたい。

会場は市川市文化会館。キャパ1800弱。入場すると想像を遥かに超える小ささ。着席。あまりのステージとの近さにパニックになる。学祭で友達のダンスを見にきたとしても気まずくてもう少し後ろに座るだろう、というくらい近い。武者震いが止まらない。緊張で開演までの30分、そして残り10分は一時間くらいに感じた。早くとどめを刺して。

17:58、何やら会場が皆後ろを振り返り始めた。本人たちが通路を駆け抜ける演出でもあるのかな?と一瞬ワクワクするもの、どうやら社長が来ていたらしい。「青い髪が見えたー!」と色めき立つ会場、「間も無く始まりますからねー!」と係員に鎮められる。おい2分前だぞ目立つなよそういうとこだぞ、と苦々しい気持ちで前を向く。

18時定刻。
暗転。

華々しいビッグバンド風ジャズが流れ、ステージ上にはWANTEDと指名手配された風のビーファの姿がスクリーンに映る。芝居がかったナレーションが公演中の注意事項を呼びかける。この時点で「ホールの規模の割には演出が豪華かも」という良い予感が。
「ここは悪党の秘密のアジトだから顔が割れないようマスクは極力つけていた方がいい」って注意喚起はなかなか凝ってておもしろかった。

ホールだしスクリーンはないかも、オーバーチャーとかメンバー紹介映像ないかも、と勝手に期待を下げていたのだが……


あった!!

「BE:FIRSTって知ってる?」
「知らない。にしても今日は余裕だったな」と何やら窃盗中の強盗団。しかし彼らに忍び寄る鬼のようなタイピング!次々ハックされる画面、その華麗な手元からカメラが顔に向かうと…


ハッカーのシュント!!!!!!(金髪)

オタクが我が子にやらせたい役No. 1、
天才ハッカー

あまりの大正解演出に早くも唸らされる。
ここからは悪党どもからビーファが華麗に鍵を取り戻す奪還劇。
ハッカーシュントに続いて生き生きアクションするリョウキ、(ハイローと違って今回はかっこよく悪者を殴ることができた。)、眼鏡にリュックでいかにも冴えないと見せかけて一流のスリ師リュウヘイ、コンビニ店員のレオへと次々と鍵は渡る。
帽子を被ったタクシー運転手のジュノンのコスプレ度が一段と高く、場内も盛り上がった。最後に鍵はマナトちゅわ〜んに渡ってめでたしめでたし。

この小洒落た疾走感あるオープニングは期待以上。

そして満を持してBE:FIRSTの登場。
一曲目はBF is…
近い!!!!!!!!!!!!!!!!!!
オペラグラスいらない。(と言いつつ即座に覗いて各人の顔面を確認してしまうのがオタクのSAGA)

まずマナトの歌のうまさにぶったまげた。何この人すっごい歌上手い。初手と思って油断したらいきなり必殺技を涼しい顔で出されたような衝撃。私はマナトのファンで常日頃彼はうまいと思っていたが、まさかここまでの強度とは。綺麗どころと思って舐めてかかったら一発目で刀を吹き飛ばされて床に組み敷かれたような。強さに惚れ惚れする。
Softlyでは立ち位置があまりに私の直線上だったもので、釘付け棒立ちになってしまった。Don't Wake me upも含め全てのマナトのパートが耳にご褒美で、お願いずっと聞かせてとその場で祈った。そして顔がすーごい綺麗。目元から鼻にかけての三角地帯の皮膚が薄く、中身の密度が高い感じ。美しい。可憐だ。


ジュノンジュノン、恐ろしくかっこよかった。NANAに出てきそうなアンニュイでスタイリッシュなビジュアル。脚長い。そして何より歌。ジュノンの歌声は稲妻のように轟いて場内を支配した。伸びやかに綺麗に歌うイメージがあったのだけれど、今日のジュノンは強烈だった。ドスの効いた高音は怒れる竜の如し。あまりに恐ろしい才能。耳がビリビリしびれて、あ、どうしよう飲み込まれる と思った。
「俺は音楽でみなさんの居場所を作ります。だからこれからも付いてきてください!」
ジュノンが「俺が」と語り出す瞬間はいつも虚を突かれる。思ったよりずっと力強い言葉が続くからだ。無口で物腰穏やかに見えて、その実一番野心が強いのかもしれない。ジュノンの才能の獰猛さはまだ言葉を伴っていなくて、そのアンバランスさが危険な色気になっている。

シュントはイキった野卑さが芸能として最高レベルに昇華されていた。特にSpin!の途中でかけていたサングラスを外した時のシュントには思わずオペラグラスを構えてしまった。ステージでの佇まいがやんちゃで、そこがセクシー。金髪のシュントを拝めたことってこの先ずっと自慢できる。

Shining Oneのセリフを「夢の国に連れてってやるよ」にアレンジしたリョウキには爆笑してしまった。シンプルにおもしろいこの人。勢いがある。遊撃隊隊長。顔立ちが絢爛なので一際ピントが合ってハッキリ見えた。
※直前のMCでディズニーランドに行ったことがないよ〜みたいな話を皆でしていた。

レオくんも顔が派手だからより近くに見えた。彼は一番ライブ感のある発声をしてたかも。いつもよりパッション系だった。
そして一際客席に優しさを見せてくれるのも彼である。「疲れてしまうのでお席に座ってください」とMCはじめに声をかけたり、「お水飲んだ?」とメンバーに聞いたり。「ペンライトが綺麗でありがとうございます。もちろん持ってない方も素敵なお顔を見せてくれてありがとうございます。」お顔、、、、
「練習生時代のことを思い出しました。誰もお客さんのいないライブハウスで一人で歌ったり、そんな僕がこんなにたくさんの皆さんにこうして見ていただけて…」これからもずっと、彼の自信になる景色の一部でいたい。

リュウヘイはMCでの他愛もないこどもらしさがかわいかった。他のメンバーが話してる時はふわわーっと客席に手を振っていた。「二次方程式が難しい」とぼやき「今日のお客さんに僕より年下はいますか?」※15歳 と聞いて会場を微妙な空気にしたりと無邪気であった。
それに反比例して歌唱の成熟は著しく、歌声は深く、曲の色合いを濃くしていた。
スタイルが良いから異常に丈の短いジャケットのような前衛的なファッションも難なく着こなしていた。今後のすべてに期待ができる。


ソウタ、彼はこのライブですーごい好きになってしまった。パフォーマンスの説得力の高さと、友達みたいな客席への気さくさのバランス。
まずパフォーマンス。生で見て初めて彼がダンス巧者であることを心から理解した。彼が飛び出してくると曲の中にハイライト部分ができて否応なしに惹きつけられてしまうのだ。歌もよかった。誠実さが滲んだ爽やかな高音。

そして客席への語りかけ方。
「今日さ、最高だったでしょ。そのことをずっと覚えていてください。今日という日はあと数時間で終わっちゃうけど、だからこそまた次に出会える。それまで一緒に頑張っていきましょう」
やさしくて暑苦しくて、でも結局やさしい。
不覚にも私はこのソウタの言葉に泣いてしまった。あまりにも私に話しかけてくれてるって思えてしまって。顔もかわいかった。すっごい白くて目くりくり、カラコンしてたね。

曲ごとの感想と言いたいけど、朝までかかってしまいそうだから一旦この辺にする。

BE:FIRSTはちゃんと証明してくれた、最高が何なのかを。ありがとう。大好き。

BE:FIRSTのセンターって誰?

「BE:FIRSTは立ち位置の決まりがないのがすごい」

空前の雑誌ラッシュの中、出会った一文だ。(CUT10月号編集後記より)

本当だろうか?

「全員主役の7人だから、だれがどこに立ってもカッコいい」

大きく出たな。じゃぁ、私が証明してやるよ。

 

Q.BE:FIRSTのセンターはだれなのか?

 本当に立ち位置は固定ではないのか?

 

手持ちのBE:FIRSTが表紙の雑誌で検証してみた。

10冊ある。

※Rolling Stone誌のみ未発売だがカウント。

1.予測

私の予測ではジュノンがセンターのものが多い気がする。なぜなら、

♪だけぇ〜どきっと バーイバイッ だけっじゃ

おわ〜んなぁいっ 夢を超えて会おうよっ♪

(一番)

♪だけぇ〜どきっと バーイバイッ だけっじゃ

おわ〜んなぁいっ 夢を超えて会おうよっ♪

(二番)

 

そう。代表曲Bye Good Byeのサビを一番二番共々総取りしているのはジュノンなのだ。

(BTSで言うとジョングクくらいサビ総取り)

以前ファンではない友人に

「だってビーファ=ジュノンじゃない?」と言われたこともある。マナト担としては悔しいが、ジュノンは押しも押されぬエース。表紙もジュノンのセンターが多いのではないか。

2.検証

発刊順に見ていく。

一体センターは誰なのか?

【1】デビュー期

オーディションで激動の夏を過ごした彼ら。デビューメンバーとなり初めて迎える秋。まだ初々しいアイドル密着構図と穏やかな表情。

①別冊カドカワScene 2021年9月号

センター:マナト

②anan 2022年2月16日号

強いて言うなら手前のリュウヘイに目が行く。

もしくはan・anの字に割って入っているジュノンか。

センター:なし

【2】Bye Good Bye期

早くもヒットを飛ばしたセカンドシングル。私もここでファンになった。

 

リョウキ、ソウタ、マナト、ジュノン、レオが髪色チェンジ。リョウキはこの頃ハイローの天下井撮影時かと思われる。

カラフルなビジュアルが特徴。

③ELLE 2022年6月号

センター:なし

ソウタのズボンの短さに気を取られる。

④Zipper 2022年Summer号

強いて言うなら手前のソウタが印象的。

青文字系への親和性が高い。

センター:なし

⑤Hanako 2022年8月号

センター:マナト

通称ズラ期。

 

※次のリリース時に向けて新しい髪色になっているものの、解禁前のためカツラを着用していた。(本人ラジオ談)(もうやらないで)

 

はい。折り返し地点5冊目。

なんとまさかのここまでジュノンのセンターなし!

 

【3】Scream・アルバムリリース期

一番最近。シュントの金髪、リョウキの短髪など強烈なイメチェンが。ジュノンのロン毛にも磨きがかかつてきた。ソウタは黒髪に。

⑥SPRiNG 2022年10月号

センター:ジュノン

これこれ!満を持してジュノンがセンター。

構図が美しい。

日経エンタテイメント! 2022年10月号

センター:シュント

ヤカラキンパとお坊ちゃん風ニットベストコーデの組み合わせが意外で良い。

リュウヘイちゃんが垢抜けてきた。

AERA 2022年8月29日号

センター:リョウキ

蜷川実花が撮ったやつ。

ケバい世界観にも引けを取らない堂々たる存在感。

⑨Rolling Stone 2022年11月号

センター:リョウキ

ハイローの番宣期突入のためリョウキの序列が上がったか。真ん中でギラッと眼光鋭く。

⑩CUT 2022年10月号

センター:なし

強いて言えばシュントとソウタのWセンター

 

3.結果発表

これにて10誌の検証終了。

Q.BE:FIRSTのセンターはだれなのか?

 本当に立ち位置は固定ではないのか?

結果を見てみよう。

 

★雑誌の表紙でセンターを務めた回数ランキング

同率4位 シュント、ジュノン(1回)

シュントを真ん中に据えると年下お坊ちゃんを支える他6人、

ジュノンを真ん中に据えるとこだわりの強い寮長とその仲間たち

シュントのあどけなさとジュノンのアンニュイでミステリアスな雰囲気が好対照。

意外なことに最近の10誌でジュノンがセンターを張ったのは一回きりだった。

パートの多さや世間の印象と、表紙での立ち位置は直結しないようだ。

 

同率2位 マナト、リョウキ(2回)

マナトが真ん中にくると柔らかい、かわいらしい印象になる。カドカワの金髪マナト大好き。

まぁなんせマナトはビジュアルエースなんでね!

綺麗。

 

リョウキを真ん中に据えると、迫力が出る。

ギラッと眼光鋭い彼が率いる圧強めの集団。

BE:FIRSTの野心担当はリョウキで間違いない。

 

さぁ、

雑誌の表紙でセンターを務めた回数ランキング

1位は誰か。

 

1位 なし(4回)

 

なんとまさかの【センターなし】が最多でした!

7人という人数もあるだろうが、真ん中のできない変則的な陣形を取っていることが多かった。

また、興味深いのは同じ【センターなし】でも意味合いが変わっているように感じられることだ。

センターなし4誌の中でも、最初に発刊されたanan。デビュー直後と言うこともあってか、個人を立たせるというより、「あのオーディション番組の男の子たち」という集団としての見せ方。

次に今年発刊のZipperとELLE。グッと個々のキャラが立ってきたのがわかるだろうか?Bye Good Byeという曲をパフォーマンスしていくにあたり、各々の個性がカラフルに開花し始めたのだ。

そして満を持して横並びである。全員センター。

初めてのアルバムをリリースし、より一層一人一人が自分の強みを知り、「俺たちは最強なんだ」という自負が出たように見受けられる。

 

 

4.まとめ

雑誌の表紙でセンターを務めた回数ランキング

1 全員(センターなし) 4

2位 マナト 2回

同率2位 リョウキ 2回

 

4位 シュント 1回

同率4位 ジュノン 1

Q.BE:FIRSTのセンターはだれなのか?

 本当に立ち位置は固定ではないのか?

A.センターは、全員。

 立ち位置は固定ではない。

 

今後レオくん、ソウタ、リュウヘイがセンターのものも出てくるのだろうか。

レオくんはあからさまなイケメンなので、是非もっと世間に騒がれてほしい。ちょっとギャル系の女性誌の表紙(ViViとかJELLYなど)のセンターにいかがでしょう。

24ちゃい。

 

最近ビジュアルが磨かれ始めたソウタも同じく。

不遜キュートなので是非。

 

GUCCIFENDIも着こなす15歳の紳士、リュウヘイ。モード系が似合うので、装苑やELLEなどのハイブランドの雑誌や文化史の表紙センターに推したい。

 

マナト担としてはやっぱり彼に真ん中にいてほしい気持ちは強いけど、

 

でも誰が真ん中でも大丈夫。

だってBE:FIRSTは

「全員主役、だから最強!」

BE:FIRST 初アルバム「BE:1」を祝して

BE:FIRSTの初めてのアルバムが出た。新年を迎えるように祈りと期待を抱いて12時が超える瞬間を待ち望んだ。

聞き終わった今、心の中には涙が溜まっていて、一刻でも早く言葉にされて彼らを祝福したいと願っている。素敵な曲たちへの感謝と、これからの日々をともに過ごせる喜び。新曲に関して一曲ずつ感想を記しておきたい。

 

♪Moment

まぶたの上にちらつく日の光でゆっくり目覚めるようなイントロ。そこに滑り込んでくるマナトの歌声。何より初めに最愛の声と出会えたうれしさがこみ上げる。「出かけよう 雨の日でも」と、歌詞はニコッとほほえんでいる。一緒に歌って踊れるこの日々がただ楽しくていとしい、というような素直で初々しい気持ち。今この瞬間を大切にスナップショットにしたような一曲。ふりかえれば夜景のように思える日々も、冗談言って笑いあうような一瞬で織り上げられている。肩肘張らないメロディーは明日からの味気ない通勤にも根気よく付き合ってくれると思う。

 

♪Softly

マナト、レオ、ジュノンリュウヘイのボーカル隊の曲。

くちどけのいいアイスが舌に残した甘さのよう。思い切りうっとりさせてくれる曲だ。

恋愛映画の青年のモノローグみたいなマナトの歌い出し。リュウヘイが歌う「秒針の速度で過去に変わっていく」でこの先のロマンチックな展開を確信させられる。レオの「あの日君の震えた背中を」に続くジュノンの「包めなかった自分が大嫌い」が絶品。どんな曲の中でもハッとさせられるジュノンの声は悔しいほどいつも鮮烈だ。

「壊れそうなばかりの世界」と歌うレオの声には生き様が表れているようで、決意ある誠実さが匂い立ち、色っぽい。

そして内気で繊細そうな声から、リズムの上で泳ぐ気だるげな声まで、マナトの歌声の幅広さに驚く。ありがとう。

ライブの時は白くてふわふわした衣装着てスタンドマイクで披露してほしい。

 

♪Milli-Billi

心配になるくらい強気な曲。しかしただ無鉄砲なイキりではない。ヒップホップの作法として示した理性的な強気さとでも言おうか。この音源では端正に聞こえるラップがやがてライブで牙を剥く日が待ち遠しい。シュントの声の色っぽさが無双している。

 

♪Spin!

リョウキ、ソウタ、シュントのラップ隊の自作曲。Spinというお題から始め回転ずししか思い浮かばずパニックになったというエピソードが信じがたいほど攻撃力の高さ。イヤホンで聴いてごらん。

一緒にイキってくれる悪友みたいな曲。

 

♪Grateful Pain

グループを組むまでの一人一人のこれまでを総括する、七人自作のバラード。

これから有名になるにつれ何度となく語り直されるであろう各々のエピソードを、揺るがぬ形で残した彼らの「すべては曲で語る」という決意表明が感じられる。その気高さと真摯な歌声に胸を打たれる。

BE:FIRST TVでの披露時に見たレオくんの泣きそうな顔が今でも目に浮かぶ。

 

♪Message

「運命だって恋におちるよ」

「世界を振り切って痛みと踊ろう」

「夜明けにキスをしよう 星に願ったりしない」

切ない爽やかさが溢れていて、これぞアイドルという一曲。

すごくライブの終盤を感じさせる。ペンライトの海で彼らを照らしたいな。この曲からBye-Good-Byeに繋げて締められるこのアルバムはとてもチャーミングだ。

 

以上が今日8月29日に公開となった新曲たち。

 

才能を誇示するばっかりのハードでうるさい曲ばかりだったらどうしよう、と思っていたのは杞憂だった。もちろん、一曲目のBF is…やScreamでは「俺たちを見ろ!」という野心が燃えていたけれど、それだけではなくてしっかりときめかせて、かわいくて、もろい部分も見せて、感傷に寄り添ってくれる柔らかさを見せてくれた。何よりも私は彼らの歌声に惚れている。ライブが楽しみだ。今はまだ世に出たばかりの曲たちが、舞台の上で何倍も鮮やかに色づくであろう。その瞬間に居合わせる日を心待ちにしている。

夏休み読書感想文④収容所から来た手紙

収容所から来た手紙 

辺見じゅん (文春文庫)

シビリア抑留者の話。これまで全く関わってこなかったジャンルのものを読んでみたくて手に取った。ニノで映画化されるらしい。

※追記

ケンティーも出るんだね!


まずは収容所=ラーゲリの過酷さに圧倒される。凄絶とまとめるには到底、倒れていった者たちの辛苦を語りきれないほど。体力的にも精神的にもいっそ生きる方が辛いと錯覚するようになってしまうような日々。そんな中でも主人公山本は帰国(ダモイ)を信じ、お手製の新聞を作ったり、句会を主催したり、同人誌を発行したりと創作活動を通してラーゲリの収容仲間たちを鼓舞し続けた。彼にとって創作とは折れない杖だ。絶対にダモイの日を迎えるという意志の強さに胸打たれる。何たる創作意欲、そしてカリスマ性。


紙はすべて没収され、密告も横行する厳しい環境においても、彼らは句を綴り互いの故郷への想いを共有した。どんなに物理的に奪われても、本当の意味で人からすべてを奪うことなどできないのだ。


帰国の日を迎えることなく病で絶命した山本。彼の遺書を日本の家族に届けるために奔走した仲間たち。タイトルが「収容所から届いた手紙」ではなく、収容所から「来た」手紙であることの意味に気づくラストに涙が溢れた。