ほんの数秒の予告で感じたのは別れの予感。初めて見る静かな彼らの表情に胸騒ぎ。
言葉がわからない状態で見たその曲は凪いでいて、その穏やかさがじれったかった。
ねえなんでそんなに悟ってしまったの?どうしてすべてを受け入れた顔しているの?
まさかお別れじゃないよね?
いてもたってもいられないほどときめきではち切れそうになった一年前のButter。
そして、今年の彼らの美しさは妙に悲しい。彼らが一番欲深い顔をしている時代にやっぱり少し間に合わなかった。認めたくなくて、寂しくて。直後はリピートできなかった。
今日、もう一度見てみた。彼らは思ったよりずっと率直に振り返っていた。たくさんの賛辞の冠を外して、僕たちの心を見てくれとばかりに。賞賛よりも今は隣に座って僕らの話を聞いてくれないかな、と。
まだ心はやわらかいまま、振り返れば少し痛いと歌うボーカル隊。その気優しさに少ししびれを切らしたようなSUGAのラップで眺望が開ける。語られるのは決して打ち砕かれない自負と、これからへの所信表明。
懸命に走ってきたあの時の欠片が鋭くて、振り返るのは少し痛くて寂しい。
車の上で歌う彼らの表情はとても晴れやかだ。ほら、僕たちいっぱい生きてるね、と。
アミのために、と歌ってきた彼らがやっと自分たちに許した労いの一曲だ。
長いお疲れ様の抱擁。そしてここからが始まりだという未来への希望。初めて語った僕たちの物語。語りは満ちた。ここからがまた新しい景色だ。
お疲れ様、これからもよろしく。