テテが躍り出てくる瞬間吹き抜ける風。
それは毎度私の心をさらってく。
気を遣って固めていた前髪をはらっと翻されてしまうような。
とじていた拳が開いていくような。
ボタン一つ外してパッと開くマントみたいに、
テテは吹き抜けるんだ。
「涙とまれマスリスリ」
「痛みとまれマスリスリ」
やけに無防備になって泣きそうなる。
海の向こうの人を好きになって初めて感じる、地球というでかい舟。
彼らが歌う光の向こう、遥か遠くに私たちはいる。都市の光。人の光。
Love myselfは難しい。
彼らがよく唱えるメッセージ。
日々はあまりにも簡単に私を疲れさせる。些細な不安といらだちを休まず積み重ね、一週間経つとすっかり疲れあげた人一人完成。
息継ぎの切実さでBTSやらトゥバを見てる。
彼らを見てる時の自分が本当で、ばた足をやめていい、息が深く吸える時。
彼らが一身に放つ光。美しくて希望に満ちたもの。
ジミンちゃんの纏うブラウスが風にふくらむ
綺麗なものに寄り添うための風。
一転、
彼らの動画を見て風呂を先送りしている私
寝転がって小さい画面に釘付けになってる
部屋着をぐしゃっとよけずにきちんと畳んでおくことも
自分を見捨てず風呂にさっさと入るのも
そのへんに転がってるラブマイセルフなのか。
むずいな。簡単に自分はおざなりになる。
綺麗なもの美しいものこぼさず見つめて言葉に書き記しておきたい。
それでいて私の抜け殻のグレーのジャージもおざなりにせずに。
かつては魔法にかかるような気持ちで強気な休日があった。
好きなかっこいいと思う服を着て、晴々と武装したような。
どこかに行きたい。